ここは恵方 [SIDE:B]

ジャンガリアン・よめちゃんの転落事故@動物病院

最終更新日:2006年4月

これは友人が遭遇した事故について記したものです。私が遭遇した事故(死に至りました)については動物病院での事故とペットの死抗議文書 全文に詳細を載せてあります。

◆事故当日

診察台から落ちる事故がまた起こった。今度は幼いジャンガリアンのメス。名前は「よめ」ちゃん。

よめちゃんは自宅で転落事故に遭い、一時失神した。すぐに意識を取り戻し動けるようになったが、飼い主さんはレイラの事故を知っていて、落下事故に対してとても危機感を持っていた。もし何か大きな損傷があったら・・・それを心配して病院に連れていった。その以前には落下防止対策について獣医師会にも問い合わせていた。

利用したのは今までにも利用したことのある病院で、獣医師の印象も良く、信用していた。 なのに、そこで再び落下事故は起きた。

最初の転落で、体調が悪くなっていたり精神的に不安定になっていたりするのは十分予想されたことだ。彼女もそれを考慮して、ケースを移さなくても診療できるように透明のキャリーケースに入れて連れていった。が、獣医師側にはその配慮はなかったのだろうか。小動物用のケースに移し替える際、触られてパニックを起こしたよめちゃんを手から診察台へ落とし、捕まえ損ねて床に落とした。よめちゃんはグッタリとまた一瞬意識を失ったそうだ。

これでは一体何のために連れていったのか分からない。ハムスターにとって、高い所から落ちて意識を失ったということが何を意味しているのか、認識していないのだろうか。

獣医師はその場で謝罪し、その後丁寧に診察をしたそうだ。

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◆その後の対応

飼い主さんは、その後の1週間ほどを、気が狂いそうなくらいの不安の中で過ごした。生きているとはいえ、どんな後遺症があるか分からないからだ。脊椎の損傷、内臓破裂、顔面骨折、考えればいくらでも挙げられる。でも、レントゲン検査の結果、幸いなことによめちゃんには深刻な損傷がなかったようだ。まだ完全には安心していないが。

この事故を人間のニュースに例えたら、「マンションのベランダから落ちた幼児が、一時意識を失ったものの、奇跡的に命を取り留めました。大きな外傷はない模様です。」・・・もし落ちたのが子供でなく、病気の年寄りだったら?。

彼女は悩んだ末、同じ病院に事後検査に連れていった。それも飼っている衣装ケースごと。 絶対この中からは出させないという強い意思と不信感の表れだった。当の獣医師は飼い主の不安を汲み取り、できるだけよめちゃんを刺激しないように診察した。

しかし、サポートについた別の獣医師が「これ(衣装ケース)は邪魔だから下ろしてください」と言った。

落下事故当日は、自分で落としてしまったという事で自分自身がパニックになっており、獣医師に怒りを感じる余裕すらなかったということだが、今回はさすがに彼女もその無神経さや認識の低さに怒りを感じた。 しかし、「獣医さんの言う事だから」と、一旦しぶしぶ床に下ろした。が、すぐに衣装ケースを診察台に戻した。「落ちると危ないから」と 不信感と怒りをあらわにして。もちろん、その後の診察は衣装ケース内で行われた。

当の獣医師にしても、「ビックリさせて可哀相なことをした」とは思っていても、「重大事故につながる大変な目に遭わせてしまった」とは 認識していないような節が見受けられる。「落下事故の事を院内で反省していないのかもしれない。でなければサポートの獣医師からこのような 無神経な言葉が出るとも思えない。」と彼女はあきれている。

高い所から落ちる事故については、飼っている中で起こりがちなことだ。私自身も苦い経験がある。飼い主は素人だから許されるとはこれっぽっちも思わないが、獣医師はプロとして、絶対に、何があっても落としてはいけないのだ。さらに言えば、病院の床は家の床よりずっと固い「土間」であり、落ちたときの衝撃はずっと大きい。病院は治療する場所。怪我をさせる場所ではない。ましてや、レイラのように、意味のない苦しみを与えた上に死なせる場所でもない。

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◆さらに上の組織へ

さらに彼女は、県の獣医師会に対して落下事故の危険性を訴え、事務局に定例会でそれを伝えてもらう約束を取りつけた。メールでのやりとりだったそうだが、取りあってもらえないかもしれない不安と戦い、神経をすり減らしながら頑張った甲斐があった。県獣医師会は丁寧な対応をしてくれたということだ。

定例会でその報告を聞いた獣医師達がどこまで深刻に受け止めてくれるかは、分からない。動物病院のメイン患畜である犬・猫のことでさえ、獣医師側の非というものはなかなか受け入れられない。ましてや少数派、「おまけ」のハムスター。遺憾ながら、診察台からの落下事故の危険性を認識してもらうためには、まだまだたくさんの犠牲が必要なのかもしれない。

でも、例え今は事が解決しなくても、行動を起こしたことが第一歩。この一歩は大きな一歩だと思う。彼女にとっても、獣医師側にとっても。一人の声は小さくて身近な所にしか届かなくても、多くの人が声をあげれば遠くまで届くかもしれない、大きな組織を動かせるかもしれない。どんなに正しい理論でも世論(多数)の支持を得なければ組織は動かせないから。

それぞれが自分に出来ることを出来る範囲でやればいい。無理をして独り倒れるよりは、同じ思いをしている人の背中をそっと支えてあげよう。自分のためにも人のためにも。それに、どうせやるなら、より効果のあるやり方のほうがいいに決まってる。

かつて、別の病院で不誠実な対応をされてつらい経験をし、抗議の言葉を飲み込んだ経験のある彼女。今度は後悔したくないと頑張った彼女に、拍手。よめちゃんが元気に育ちますように。

飼い主さんからメッセージが届いている。

私は今まで獣医さんに対して強く言えなかったけど、小心者なりに頑張れた(笑) という事、知ってもらいたいのです。私もそうでしたが、獣医さんや獣医師会に意思表示する事って躊躇してしまう人も 多いと思います。でも頑張ってほしい・・・と思っています。小心者の私でも出来るんだよって。

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◆管理人より

この件で一番悔しいのは、転落が危険な事故であることを飼い主が主張しているにも関わらず、病院として軽く受け流した事です。

彼女自身が、その点について「獣医師と話し合っていないから、体験談として掲載される資格がない」と言うので、[SIDE:A] の体験談ではなく [SIDE:B] で取り上げました。

でも私から見れば、獣医師の言葉に異議を唱えたそれだけとっても立派な「意志表示」。それで良いのです。時には不信感を表すことだって大切。飼い主がいつもいつも「いい顔」をしていたら、飼い主の不安も不満も獣医師には伝わらないから。

「言うだけ無駄」と思っているあなた。それは違います。それはあなたが付き合っている獣医師の意識が低いだけ。その低いレベルにあなたが合わせる必要はありません。世の中には、こちらが要求しなくてもきちんと落下防止対策をとってくれる病院だってたくさんあるのですから。

確かに、診察台から落ちる事故は今までにも多数起きています。でも、この事故に限らず、よくある事故だから対策をとる必要がないとか、とっても意味がないとか考えるのは早計です。それは転落の危険性を認識していない故の言い訳に過ぎません。予防可能なアクシデントに対して何もしないのはおかしい。獣医師側に対策をとる気がなかっただけで、実際には、意識の高い病院ではしっかりした対策がとられている現実を知ってほしいと思います。

こんな対策をとる必要のない「レベルの高い」獣医師も存在するのかもしれません。しかし、問題はそれが一体日本に何人いるのかという事です。自分の付き合っている獣医師が最高レベルに入ると確信できるなら、それほど心配する必要もないでしょう。が、ほとんどの獣医師にとっては必要な対策であることは間違いないし、最高レベルの獣医師にとっても「万が一の保険」が有効であるのは確かです。

飼い主側から何か要望を出したときこそ、獣医師の真意が見られるというもの。これは私自身も、よめちゃんの飼い主さん自身も実感しています。どうか、のど元まで出かかった言葉を飲み込まずに、勇気を出して伝えて下さい。一生拭えない後悔をする前に。

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