ここは恵方 [SIDE:B]

動物病院情報サイトを末永く利用するために

最終更新日:2006年4月

◆こんなトラブルが起きている

ハムスターを診察できる動物病院情報を掲載しているサイトで、ある問題が起こっています。読者からの「ここではこんなトラブルがあったから勧められない」という体験談を掲載したが故の訴訟ざたです。

そう、みんなのためになる情報を発信しようとしているサイトの運営者が、動物病院から名誉毀損(めいよきそん)で訴えると通告されて、あるいはひどい脅迫を受けて、休止や閉鎖に追い込まれているのです。

何故そんなことになってしまうのでしょう。まずは法律の面から言えば、例えトラブルや医療ミスが事実であっても、病院名(実名)を出してそれを不特定多数の人に公表するのはその病院を侮辱する「名誉毀損」行為である…信じたくないが、これが現実です。日本の法律から考えたら、これをやってしまったらどうやっても裁判で負けてしまいます。

そして、病院からの脅迫の類。これはもう病院経営者の人間性でしょう。こんな奴だから医療ミスやトラブルを起こすのだろうし、それを改める気もないのだろうと思われます。

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◆投稿者の責任は重い

それじゃ、投稿する側として何が出来るのでしょうか。

そもそも、そのトラブルは投稿者本人と動物病院とのトラブルであって、情報を掲載したサイト運営者には何の関係もありません。そこで問題となるのが、投稿者はその病院とそのトラブルについて話をしたか、ということです。

話をした上で「やっぱりここはどうしようもない」となれば、投稿しても問題ないと思います。実名ではなくイニシャルでの掲載なら名誉毀損には当たらないし、病院側から何か抗議があれば、サイト運営者は病院に対して「当事者同士でお話ください」と言うことが出来ますから。でも、当事者間の話が全くされていなかったら…?サイト運営者は「事実無根をでっち上げて病院の名誉を傷つけた」として訴えられるのです。

この理不尽な構図がおわかりでしょうか。寄せられた情報を厚意で掲載したばっかりに、サイト運営者は、当事者である投稿者が負うべき責任を背負わされてしまうのです。そしてそれは、トラブルの張本人とも言える動物病院側はもちろんのこと、トラブルを解決しないまま他人にゆだねた投稿者にも少なからぬ責任があるのです。

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◆逃げずに向き合って

だったら、投稿する側に出来ることはただひとつ。投稿する前に病院と話をすること。病院側に「あなた達はこんなトラブルを起こしているのだ。この責任をどうしてくれるのだ。」と問題提起すること。この位置関係だったら、加害者である病院側はどう頑張っても下にならざるを得ません。しかし、無関係のサイト運営者とでは病院側の立場は上に来てしまいます。

自分の経験からもはっきり言えます。病院側は自分たちのやったことが間違っているとかトラブルを引き起こしているなんて、夢にも思っていません。被害を受けた本人が言い出さない限り、自ら気付くことはまずあり得ないのです。

考えてみれば、それはそうでしょう。飼い主が「ありがとうございました」と言って静かに頭を下げて帰ったのに、病院に怒りを感じているなんて思うわけはないですよね。

ある情報系サイトの運営者から聞いた話では、「そのサイトに掲載された記事を見て初めて飼い主の不満に気付いた、申し訳ないことをした」という獣医師からのメールをもらったこともあるそうです。あるいは、お互い納得いくまで話が出来ないまま飼い主が話を切ってしまってとても心残りだが、どうしても自分の獣医師としての考えをわかってもらいたくてメールしたというものもあったといいます。

これらが意味しているもの、それは紛れもないコミュニケーション不足です。

心も体も傷ついたペットを思えば思うほど、その病院と縁を切りたい気持ちはよくわかります。もう二度と関わり合いたくない気持ちもよくわかります。私だって同じ思いをしてきたのだから。でも、半狂乱になるほどの思いを抱えたからこそ言えるのです。トラブルは当事者でなければ解決できないのです。そこへ他人が入り込めば、話はますます複雑になって決着がつかなくなります。

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◆情報系サイトのトラブルを回避するために

私たちが、トラブルに巻き込まれた当事者としての責任を放棄し、情報系サイト運営者に託してしまったら…情報系サイトは今後ものすごいスピードで消えていくでしょう。それはとりもなおさず、私たち利用者の情報不足を引き起こし、自分の首を自分で絞める形になるのです。

ひとつには、インターネットの普及による情報網の拡大が挙げられます。愛好家のネットワークも大きくなりましたが、病院側の情報収集も進み、自分のところがどのように評価されているのか病院自身がチェックできるようになりました。そしてもうひとつには、「名誉毀損」という問題意識の定着。それらがあいまって訴訟ざたや脅迫に至っているものと私は推測します。

情報系サイトを運営される方には、くれぐれもイニシャルでの「悪い」情報掲載をお勧めします。これなら名誉毀損で訴えることはできません。しかし脅迫や嫌がらせはあるでしょう。これに対しては、同じ立場のサイト運営者同士が協力していく必要があるのではないでしょうか。

実際、前述とは別の情報系サイトでは、イニシャルでの掲載にも関わらず「名誉毀損だ、お前なんかつぶしてやる」と脅迫が続き、追いつめられたサイト運営者は体を壊してサイトを休止しました。また、前述のサイトも一時閉鎖したことがあるそうです。今は掲載内容の程度でトラブルになりそうかどうか判断できるようになったので、トラブルは減ったとおっしゃっていましたが(と言うことは、それでもまだトラブルがあるということです)。

お互いが良かれと思ってやっているのに、それが裏目に出ることほど哀しいことはありません。善意が善意として反映されるためには、お互いがやり方を考えなければいけない時期が来ているのではないでしょうか。投稿する側の責任は、私たちが思っているよりもずっと大きいのです。

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◆傷を治すのは自分自身

そして何より、私が気になっているもの。それは「泣き寝入り」した飼い主の心の傷。何年経っても決して癒えることのない深い深い後悔の傷跡。

ペットはきっと許してくれています。それどころか、多分飼い主の心の傷がますます深くなるのを心配していることでしょう。でも飼い主は、病院を恨む言葉を吐きながら、自らをもっと深く責めているのです。その病院を選んだ自分を、獣医師に意見できなかった自分を、深く深く。そこから抜け出すためには、原因となった病院と真っ正面から向かい合うしかないのですよ。

[SIDE:A]を読んでいない方は一度目を通してほしいと思います。手紙で「あなたのやったことはペットを傷つけたのだ」と問題提起するだけでも、自分のためペットのため病院のためになるのだから。同時に、自然療法の力を借りて自分の心を治してあげましょう。それについてはもう少し後で。

情報系サイト の未来は、利用者である私たちの意識ひとつにかかっています。

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