最終更新日:2006年4月
ハムスターは小さい。それ故、犬や猫に比べて世話の手間も少なく場所もとらない。値段も安いから手軽に飼い始めることができる。だけど、そこから真面目に飼い方を学ぶ人は意外に少ない。同じ命なのに。
ハムスターは小さい。だから小さなケージに入れられる。彼らは狭い空間に縛られて、逃げることも、猫のように足元にすり寄ってくることもできないし、鳴いて存在を主張することもできない。外部の人には居ることさえ分からない場所で静かに静かに生きている。その存在を抹消しようと思えば、それは簡単なことだ。家の隅っこに布でも掛けて置いておけば、1ヶ月もすればミイラになっているであろう。そしてこれはよくあること。これも現実。
私たちはペットの生活全てを支配しているのです。ハムスターがどんなに愛おしくても、どんなに大事に思っていても、その生活は決して「対等」ではありません。ハムスターを家族の一員だと思っていても、人間が世話をしなければ、彼らはケージから一歩も出ることさえ出来ずに死ぬしかないのです。心の在りようではハムスターの方が上だとしても、物理的には下なのです。これは、幼い子供と母親の関係に似ているかもしれません。
ただ一緒にいたいというだけで彼らを飼い続けている私は、実質的な支配者である自分を認識して、心ではさらに頭を低く保ちたいと思っています。彼らは人間を癒すために生まれてきたのではないのです。ただただ生きようとしているだけ。そして私は、そのおこぼれをもらって幸せな気持ちになっているのだから。
野良になることさえできずに、人間の保護なしには生きられないハムスターという動物。生かすも殺すも飼い主の気持ちひとつ。そんな彼らに対する飼い主の「管理責任」は、とてつもなく大きいのです。
Gerbil Gerbil Gerbil の管理人・もんさんが、とっても良いことを書いています。是非一度読んでみて。
自分より小さな命に対して、そっと優しく扱うことを覚えたり、慈しむ心を育てるのは大事なこと。それは将来、自分より小さな人間の子供に対する慈しみの心に成長します。
もしも子供のために動物を飼い始めたのなら、何があっても、最後まで命から目をそらすことを許さないで。飼い主が大人であるならば尚更です。死の原因をハムスターの小ささのせいにして別の動物を飼っても、その動物が死んだときは同じようにつらいのだから。その時には「小さいから」という逃げ場はないのですよ。
死から目をそらさないこと…難しいことは何もありません。亡骸を優しくなでてお別れを言うだけ。自分の手で土に還してやりましょう。泣きたければ泣けばいいし、謝りたければ「ごめんね」とつぶやけばいいのです。その仔の死を悲しんでくれるのは飼い主だけなのだから。ただそれだけで、その後の心の持ち方も大きく変わります。
とはいっても、別れは何度経験しても慣れることのない辛いものです。それを受け止められるようになるためのあれこれが次頁以降に書いてありますのでご参考に。
もし繁殖をするなら、生まれてくる子供達の健康について考えてほしいのです。先天性の疾患を伴う危険な掛け合わせは存在します。遺伝情報の活用については次のページで取り上げているので読んでみて下さい。
愛する我が仔の血を残したい気持ちはよく分かります。でも、本当にその掛け合わせは問題ないか、もう一度調べてほしいのです。全て受け入れる覚悟の上での繁殖だったら誰にも止める権利はありませんが、そうでないならば、危険な繁殖はしないであげて。病気を持って生まれてきて苦しむのは、当のハムスターなのだから。
もしも、問題を持って生まれてしまった個体には、多分短い一生になると思うけど、愛情いっぱいかけてあげて幸せな気持ちのまま逝かせてあげて。
支配者たるもの、繁殖にも万全の体制で望んでほしい。
誰だって始めは初心者。飼いながら学んで少しずつレベルアップしていきます。でも、学ばなければいつまで経っても初心者のまま。学んでみるとわかります。取っつきやすい動物の割に、ハムスターに関する情報収集は大変であることを。自ら求めて探さなければ情報は手に入らないのです。
ノア動物病院の院長さんが言っています。「無知は罪」だと。
ハムスターを飼い始めた皆さん、どうか今からハムスターのことを勉強してください。本を2冊も読めば基本的な事は一通り書いてあります。これで最低限の対処ができるようになります。自分がハムスターに詳しくなると病院選びの目も養えます。
子供のために飼い始めた皆さん、まずは自分がハムスター博士になって見せてください。子供はその姿勢を真似するのです。ハムスターは小さいけれど、感情もあるし大体は飼い主になつきます。真面目に飼ってみればこんなに愛らしい動物はいないと思えますから。そうやってハムスターにはまってしまった素敵なお父さんお母さんもいっぱいいますよ。
そして、繁殖を考えている皆さん、どうか安全な繁殖を行ってください。生まれながらの苦しみを仔ハムに与えないでやってください。
勉強にゴールはありません。生き物を飼い続ける限り、お互い情報収集に務めましょう。
その生も死も、決して無駄にはしないでください。
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