ここは恵方

事故の概要と病院とのやりとり

最終更新日:2006年4月

いつ頃のこと 2003年3月
受診した動物の種類 ハムスター(ゴールデン)
性別 メス
年齢 1歳6ヶ月
病院との付き合い 2年
何が起こったか 獣医師の過失により診察台から転落し、重傷を負った後死亡した
意志表示の方法 担当獣医師と直接会話、院長宛に抗議文書を郵送
病院からの回答 あり
その回答の満足度 理性では90%、感情では60%
今後もそこを利用したいか したくない
今後もそこを利用するか わからない

◆事故の詳細と獣医師の対応

飼っていたゴールデンハムスター「レイラ」に気になる事があったので、以前から利用していた動物病院に連れていった。食餌制限をしていて、さらにその量を残すような食欲のなさなのに、体重だけが急激に増えてきたからだ。肥満ではなく体に水が溜まる「むくみ」ではないか、何か重大な疾患が潜んでいるのではないか、そう考えたからだ。

その半年前、前任のエキゾチックペット(小型ペット)担当医が退職し、後任者になって初めての受診だった。 (注:ハムスターはエキゾチックアニマルに分類される)

獣医師は何の囲いもない診察台の上に秤を置き、ハムスターに触ろうとした。まさかその動きが、体重を計ろうとする、ケージから取り出す動きだとは思わなかった。そんな非常識な扱いをするとは夢にも思わなかった。体調が悪いときに突然他人(獣医師)に触られてパニックを起こしたハムスターは持ち上げられて飛び上がり、診察台上に一瞬着地して走り出した。獣医師はそれを捕まえ損ねて床に落とした。

転落直後、「ギャッ」とうめいてハムスターは意識を失い動かなくなった。 しばらくの後、一瞬意識が戻ってまたパニックに陥り走り出すが10cmも進まぬ内に再び意識を失った。

獣医師はそれにも気付かない様子で動かなくなったハムスターをおもむろにつかみ、触診を始めた。 その時点で、衝撃により口の中が切れているのを確認している。その時の獣医師の言葉は「ああ、口の中切れてますねえ」。 この獣医師は後にこの事故を、「ちょっとストレスを与えてしまったみたい」と述べている。

さらに、体重の増加に関しては「食欲がないのに太るなんて症状は私の知識にない。ただの肥満でしょう。」と、診察もせず何の検査もせずに言った。私は食餌量も具体的に数値で示し、「いくら老齢とは言っても、この量を残すほどの少ない摂取量で太るのはおかしい。この急激な増加から考えても、肥満ではなく水が溜まっているのではないのか」と異論を唱えたが、その獣医師は「そんなことはないでしょう。よく太っているようにしか見えませんねぇ。」とうすら笑った。

私はその場で、レイラが診察台から落ちたことを抗議し、様子がおかしいことも伝えた。ハムスターがこの高さから落ちたら致命傷になるのだということもはっきり伝えた。意識障害が起こっているハムスターを見てもそれに気付かないその獣医師は、自らの過ちと責任を追及されて逆上した。落下防止対策をするよう申し立てたことについても、不愉快この上ない顔で「院内で検討します」とは言ったが、その態度から「絶対検討する気はない。それどころか事故があったことさえ口にしないであろう」と見て取れた。この人といくら話してもらちは空かないと判断し、後日の院長宛抗議に至った。

ちなみに、その日の夜にかかってきた電話でもその獣医師はこう言った。「病院の他の獣医師にも聞いてみたが、該当する病気は誰の知識にもなかった。だから食餌制限してください。」と。知識がないなら調べるという考えはないらしい。自分の知識が世界の全てと思いこんでいる人間ほど危険なものはない。

事故に遭ったハムスターは、転落の衝撃によりその後2日間は意識もうろうとして動けなかった。3日目にやっと意識が回復するも警戒心は異常なほどに強くなり、物を食べたくても口がほとんど開かず、ヨボヨボとしか歩けなくなった。あごの骨に異常があったのかもしれないし、脊椎にも損傷があったかもしれない。食べることも歩くこともままならず、人間を拒絶する程の苦しみを味わって、5日後に死亡した。 診察台上にほんの10cm高さの囲いがあれば防げた事故であった。

レイラの最期については少しだけ記してあります。これだけの目に遭いながらも人間を赦(ゆる)して死んでいきました。それについては[SIDE:B]2003年10月の日記をどうぞ。また、私自身がこの出来事を乗り越える様子が同じく2004年2月の日記から2004年3月の日記に記してあります。

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◆病院とのやり取り

その後、事故を起こした動物病院の院長宛に抗議と安全対策を求める文書を郵送し、回答を得た。 その中で、死んだハムスターへのわびの言葉と具体的な転落防止対策の約束を得ることができた。しかし、やはり思った通り、落下防止対策どころか事故があったことさえ報告されていなかった。私が泣き寝入りしていたら事故は発覚することなく葬られ、同じことが延々と続けられていたのだ。

回答からは、1mの高さからハムスターが転落することがどれだけ危険な事かは病院として十分認識しており、ただそれが現場の獣医師に浸透していなかっただけとの主張にとれた(私には言い逃れにしか聞こえなかったが)。今後は全ての獣医師に「危険」に対する意識を徹底させるとのこと。 ハムスターはエキゾチックアニマルの代表格とも言える動物。そのハムスターの扱いも知らないような獣医師をエキゾチックペット担当に置いて、教育もしなかった病院の姿勢には憤りを感じるが、この事故をきっかけにその事にも気付いただろうか。

院長が私に宛てた回答の中に、ハムスターに関するうんちくが書かれていた。ほとんどは「そんなこと言われなくても知ってる」内容で、中には「それはちょっと違うんじゃないの。全てのゴールデンハムスターがそうとは限らないのだよ」と思える極端な思い込みも混ざっていた。しかし、そのうんちくさえ知らない獣医師が専門はエキゾチックペットだと公言していたことを、この病院では認識していなかった。

レイラの症状についても、素人の私が調べてもむくみが起こる原因はいくつか挙げることができたし、老齢ハムスターに多い疾患として「腎不全」の可能性があることもすぐ調べがついた。1晩で4g(50kgの人間に例えれば1.5kg)もの体重増加が肥満であるわけがない。こちらが具体的な数字を示しているのにそれを理解できないとは。そして、そんな獣医師を「適正な知識を持つ」と認識する院長に対しても、管理責任が問われて当然だと思う。

納得いった部分といかない部分とが複雑に入り交じった何とも表現しがたい思いであるが、少なくとも今後その病院にハムスターが受診した場合に、診察台から落ちて命を落とすことはないであろう。 それは亡きレイラも喜んでくれるはず。

ただし、自分が今後その病院にペットを連れていくか否かは・・・? 現場の前を通りかかっただけであの時の苦しそうな姿を思い出し、今はつらくてたまらない。 ハムスターを診療できる病院自体がほとんどない田舎ゆえ選択の余地もあまりないのだが、できることなら別の病院を探したい。

病院での事故でペットを失いただでさえつらいのに、その病院に対して異議申し立てをするのは精神的に大変きついことであった。 その中で支えとなってくれたのは同じハムスター愛好家の方々の言葉だった。

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◆但し書き

不要な不安をあおりたくないので一言注意しておきます。

動きの速い個体でも、きちんと保定してあれば持ち上げても落とすことはありません。ここで落とすようならそれは初心者レベルの論外です。

私が危険だと感じるのは、保定しないで(例えば手ですくって)持ち上げたりケースの外に持ち出そうとする瞬間です。保定していなければ、驚いて飛んだら落ちるのは当然ですから。

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